今週のグローバル生成AI動向で、静かだが重要な変化が2つ起きている。ひとつはAIエージェントの「誰でも作れる化」。もうひとつはエージェントが「自分でお金を払える」ようになったことだ。
Jack Dorsey の会社がエージェントをオープンソースにした
Block(旧 Square、Jack Dorsey CEO)が Goose をオープンソース公開し、3,157いいねの大きな反響を呼んだ。コード補完ではなくフルエージェント——インストール・実行・編集・テストまで一貫して行える。しかもローカル実行で、任意の LLM に差し替えられる。
なぜこれが重要かというと、「特定ベンダーにロックインされないエージェント基盤」が手に入るからだ。Claude Code は素晴らしいが、Anthropic に依存している。Goose なら社内 LLM や他のモデルと組み合わせる選択肢がある。
同じ週に OpenClaw が NVIDIA の Jensen Huang に「次の ChatGPT」と評され、Hermes Agent が「OpenClaw を一部機能で上回る」と話題に。AIエージェントの選択肢が爆発的に増えている。
エージェントが自分でサービス料金を払う
Stripe と Tempo が共同策定した Machine Payments Protocol(MPP) を Stellar が実装し、商用稼働を開始した。何が起きるかというと、AIエージェントが HTTP 経由で自律的にサービスの料金を支払えるようになる。
これは地味に見えて、インパクトが大きい。今のエージェントは「作業はできるがお金は扱えない」という制約がある。MPP が普及すれば、エージェントが自分でクラウドリソースを調達し、API を契約し、必要なツールを購入するワークフローが現実になる。lablab.ai では、実際の USDC を動かすオンチェーンエージェントのハッカソンもすでに開催されている。
自社サービスを提供している立場なら、「エージェントが顧客として来る」シナリオを考え始めておいてもよいかもしれない。
Google が「スキルの効率化」仕様を公開
もうひとつ見逃せないのが、Google for Developers が公開した Agent Skills 仕様。ポイントは「プログレッシブ開示」という設計パターンで、ドメイン知識を3層(L1: メタデータ → L2: フル指示 → L3: 外部リソース)に分けて必要時にだけロードする。これでベースラインのコンテキスト使用量が 90% 削減できるという。
Claude Code のスキルやルール設計にも応用できるアイデアだ。CLAUDE.md が肥大化してきたプロジェクトでは、この3層構造を参考にしてみる価値がある。